繊細さ

DIAMOND FLAKE

https://ms.citizen.jp/assets/001_01-01_ダイヤモンドフレーク_01

発売当時“世界一薄いムーブメント”という命題を達成した本モデルは“繊細さ”が随所に生かされたデザインになっています。腕時計を“身に着けるもの”という観点からすれば、薄く進化してゆくのはある意味必然のこと。一方で、機械設計を小型化、薄型化するためには、高度な技術が必要で、部品や噛み合わせそのものが繊細になっていきます。
そんなデリケートな機械を演出する本モデルのデザインは、イメージが統合されていて、とても繊細な形になっています。無駄のないシンプルなケースにも、細かい面取りが施されていたり、時字の一箇所が二本の溝で表現されていたりと、ディテールに通常の倍の手間をかけて繊細なものにしています。
繊細さは、精緻な仕事の証でもあるため、知性のあらわれ、とみることもできます。見る人は無意識にその知性を感じ取り、それを身に着けることで知的満足感が得られるのではないでしょうか。袖口から見え隠れする細いフレームがキラリと光るさまに、成熟した知性が感じられます。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_02シンプルで流麗。すべてが細い線で構成されています。贅肉の無いシェイプアップされたシルエットには、薄型時計かくあるべしといった品格があります。

重心を高く取り、風防から革バンドに流れる曲線を浅くすることで、腕に巻いた時の出っ張りを押さえ、より薄く見える形になっています。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_04柔らかい曲面で構成された裏面は、肌あたりの優しさを感じさせます。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_05重心の高いケース本体は、浅くラウンドしていて、腕からの出っ張りを押さえているため、時計を薄くみせています。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_06球面に絞られた裏ぶたは、鏡面に磨かれており高級な印象。筆記体のエッチング文字が優しい印象を与えます。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_07温もりを感じる球面文字板は、突起物の無いシンプルそのもの。品良く抑えた旭光目付けにカット時字が繊細な光を放ちます。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_08筆記体の印刷ロゴは、時計全体をエレガントな方向に引き寄せます。ダイヤの煌めきをイメージした十字のマークも繊細な印象を与えます。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_0912時は三本、その他11箇所は二本ずつのV溝で表現した切り時字。中央に向かって消え行く様は光をイメージさせ、近くで見るほど繊細な仕事がよくわかります。

001_01-01_ダイヤモンドフレーク_10シャープな印象を与えるダイヤ形状の針。山形に面押しされて反射光を半分の細さにしています。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

https://ms.citizen.jp/assets/100_12-08_L 漆玉_01

光を感じる時計

 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

https://ms.citizen.jp/assets/099_12-07_L ムービングダイヤ_01

自然の生命

 CITIZEN L には自然の中にある形状や光にインスパイアされたデザインテーマが多く、本モデルも「朝露」がテーマになっています。  ケース上の3 粒のダイヤがケースカーブに沿ってサラサラと滑らかに動き、時字が文字板上に散るように配置されている様子が、何も知らずにこの時計を見たとしても、自然の情景を思い起こさせるようなストーリーが秘められているデザインです。  パーツを見ていくと、文字板パターンや時字の配置、りゅうず位置、ケース形状など非対称な部分が多いにも関わらず、それぞれが均整の取れた位置に収まっているため、違和感や着けづらさはありません。非対称なデザインによって、自然の生命感を思わせるリズムや動きが生まれ、画一的な時間ではなく、ゆったりとした自然の時間を感じさせます。  ダイヤモンドが多く使われておりジュエリー感のある時計ですが、時字の配置やケースとバンドの隙間の取り方に抜け感があり、普段使いも可能なデザインテイストになっています。

https://ms.citizen.jp/assets/098_12-06_エクシード ユーロス_01

最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。