アナログとデジタルの融合 Ver.2.0

ALTERNA SHUTTER DIGITAL

https://ms.citizen.jp/assets/018_02-07_オルタナシャッターデジタル_01

この時計を一言で説明すると、「アナログとデジタルの新しい関係を示した腕時計」です。デジタルウオッチが持つビジーな印象を刷新する挑戦とも言えます。
1978 年、シチズンは国産初のコンビネーションウオッチである「デジアナ」を発売しました。初期のコンビネーションウオッチは、デジタル表示とアナログ表示が独立したレイアウトになっていました。その後、針の下にデジタル表示のある一体型のデザインが主流となり、本モデルの液晶レイアウトもこのタイプです。
本モデルの最大の特徴は、何と言ってもデジタル表示のシャッター機能。通常はシンプルな3針として着用し、カレンダーやクロノグラフなどの機能を利用したい時だけデジタルを呼び出すことができます。「シャッター」というだけあり、液晶が上下にだんだんと開閉するエフェクトが魅力的です。腕時計としてのシンプルさや高級感と、デジタルの機能性の良いとこ取りを追求しています。コックピットの計器のようにメカニカルでビジーなデザインを演出する常時表示型コンビネーションウオッチを「アナログとデジタルの融合」の第1 世代とするなら、液晶を必要な時以外背景と同化させることで、腕時計としてのシンプルさや高級感を兼ね備える本モデルは、第2 世代と言えるかもしれません。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_02サークルヘアラインのベゼルが印象的なデザイン。シャッターが下りているときは、シンプルな3針の腕時計にしか見えません。シャッターが開いた時の液晶表示を避けるためにオフセンターに配置したロゴがモダンさを強めています。


018_02-07_オルタナシャッターデジタル_03質量感のある「時計らしさ」や目付の美しさが際立ちます。ラグの横見も美しくデザインされており、プロダクト的な魅力と、時計としての魅力が同居した外装。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_04カン奥部分に三日月上の面が出ないよう、先カンの形状が調整されています。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_05ケースはベゼル下面やケース本体下面に斜面をつけるなどの薄く見せるテクニックはあえて使わず、重量感のある、通称“弁当箱”型の形状。キューブの角を丸めた形状のプッシュボタンもケースと同じ印象で、ソリッドなデザインに仕上げたいという意思を強く感じます。バンドの長さをばね棒の位置で8 段階に調整でき、さらにバックルで2 段階の調整が可能。本格スポーツウオッチで使われる2 重ロックタイプのバックル。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_064コマ目まで緩やかなテーパー駒になっており、滑らかにストレートにつながるため、上質な印象を与えます。駒形状は上面の大アールと下面のフラットが円弧でつながっており、エッジがないためグラマラスな印象。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_09シャッターが開くエフェクト。液晶は普段隠れており、薄く見えることもなくムーブメントの完成度の高さを感じます。7セグの文字(数字)もただの6角形ではなく、少しでも読みやすい形状に工夫されています。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_07ラグは複雑な面構成ですが、全面ミラーのため面取り部分が丸みを帯びており、艶っぽさがあります。

018_02-07_オルタナシャッターデジタル_08バンドの長さをばね棒の位置で8 段階に調整でき、さらにバックルで2 段階の調整が可能。本格スポーツウオッチで使われる2 重ロックタイプのバックル。

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レトロフューチャー

 70 年代、時刻表示の新しい表示方式であるデジタル表示が開発されました。それは当時、近未来時計への期待を感じさせる表示機能でした。  この時計はデジタル表示の有効性を活かし、カリキュレーター(電卓)機能を初めて腕時計に追加するという発想のもとデザインされました。  時計と電卓機能の共有化を成し遂げた国産初の腕時計は、中央に表示モニター/外周に放射状に23 個のプッシュボタンを配置するという個性的なデザインスタイルで表現されています。腕時計のケースの基本である丸形状での表現をやり遂げたことが腕時計デザイナーならではの発想だと感じます。  15 度刻みに配置されたプッシュボタンの人工的な輝き。ケースとバンドの凹凸の無いシンプルなライン。これらは従来の挽き加工によるものであり、厚みのあるケースとクールなデジタル表示の組合せは新旧技術のアンバランスなレトロフューチャー感を生み出しています。  加えてこの初期モデルは金色で統一され、外装には各部材に異なる質感を持つ金色を巧みに使い分け、派手な色調にも関わらず品のある趣を醸しだしています。  特徴のある操作ボタンのレイアウトはスタンダードとはなりませんでしたが、先陣を切ったカッコよさ、誇りを感じさせます。

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 漆玉、ダイヤモンド、スモークガラス。それぞれの光の反射が、光源や時刻によっても違った表情を見せる奥行きのあるモデルです。ケース形状や文字板デザインがシンプルだからこそ、ディテールの美しさが映え、機械的な時ではなく、光が映し出すゆるやかな時を感じることができます。  文字板に時字はないものの、時分針は見やすく、時計としての機能を併せ持つブレスレットという印象です。  また、漆をいわゆる伝統的な見せ方ではなく、モダンなデザインで時計と融合させており、伝統技術の現代的な表現も楽しむことができます。  アシンメトリーな形状ながらも着けやすく、モダンなジュエリーを身につけているような特別感があります。

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自然の生命

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最小認知要素から 装飾するプロセス

 「バンド・針・丸」これは人々が腕時計と認知できる最小構成要素です。  ◆腕時計は、バンドがあっての“腕”時計である。  ◆腕時計は、針があっての腕“時計”である。  ◆時間は、繰り返される天体の周期(丸)から   作られた。  本モデルは、この3 つの要素に焦点を当てた「腕時計」のデザインのお手本のように思います。これらの3つの要素に豪華な装飾を施すことで、他の要素との主従関係をはっきりさせています。  ユーザーが求める「腕時計らしさ」と、ユーザーが満足する「装飾品としての美しさ」を兼ね備えた、全ての腕時計のお手本ではないでしょうか。