DNAを現代につなげる

PROMASTER Radio-Controlled

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このモデルは、シチズンが腕時計のエコ・ドライブ(光発電)化を進める中、2000年代初頭に開発された多機能エコ・ドライブ電波時計です。LAND/SKY/MARINEの各領域でモデルを展開するプロマスターのLANDカテゴリーをけん引するモデルとして開発されました。

外装の仕様はデュラテクトと呼ばれる表面処理を施したチタニウム外装、無反射コーティング付きの球面サファイアガラス、20気圧防水、ダブルロック機構のバンドの中留、ワンアクションでバンドの長さを微調整できるフィットアジャスターなどLANDカテゴリーの上位モデルに相応しいスペックとなっています。ムーブメントもクロノグラフ、ローカルタイム、アラーム、パーペチュアルカレンダーなど多くの機能を有しています。

スクリーンショット 2025 06 05 121450当時シチズン独自の機構として採用が始まっていた「フィットアジャスター」を搭載
手首の太さは日々の体調によっても変わるため、日常使いのなかで便利さが実感できる機能 

DNAを受け継ぐ

画像3プロセスを振り返ってみると、このモデルのデザインのテーマは「DNAの継承」だっだと言えます。例えば、ケースとバンドに関して、新開発のムーブメントということを意識した目新しいスタイリングも選択肢の一つとして検討していました。ただ、最終的には、これまでのLANDモデルで受け継がれてきたDNAを継承するという意思のもと、同カテゴリーですでに世に出ていたモデルのスタイリングをベースとして方向性を定めていきました。

スクリーンショット 2025 06 05 121337検討したバリエーションの一例:ベゼルにタキメーターを入れるアイデア

視認性にこだわる

文字板についても、様々なバリエーションを検討しました。インデックスをすべてアラビア数字にする、あるいは、一部をバータイプなどの別の形状にして組み合わせるなどです。それらのバリエーションを作成していく上で最も重視していたのは「優れた視認性」です。

プロマスターのLANDモデルは視認性の良さを重視しており、それが文字板デザインの肝とも言えるアイデンティティとなっています。視認性を考える上で重要になるポイントは、着用者が時計を見るとき「文字板上の十字の位置にある12時、3時、6時、9時のインデックスを起点として時間を判断する」という視線の流れになります。

スクリーンショット 2025 06 05 121407検討したバリエーションの一例:12時、3時、6時、9時位置のアラビア数字を強調したデザイン

例えば、上図の二つのスケッチは12時、3時、6時、9時位置のインデックスを大きなアラビア数字とすることで十字の配置をより強調しています。左図のスケッチはアラビア数字以外のインデックス形状を個性的な形状にしたものです。この文字板について、十字位置のアラビア数字がより強調されて「見やすい」という意見もある一方、「ある意味クセが強く万人受けはしにくいのでは」という意見もありました。そのような議論を開発チームと重ねた末、最終的には文字板についてもケースやバンドと同様に、LANDカテゴリーのDNAをより色濃く反映した上右図のスケッチをベースとするデザインを採用しました。

スクリーンショット 2025 06 05 121423左端のモデルが最終バージョンのデザイン

スクリーンショット 2025 06 05 121435これまでのLANDモデルにはなかった新しい要素として、立体夜光のインデックスを採用

DNAを継承し、現代につなげる

このモデルのデザインは、素材をチタニウムからステンレススチールに変更した仕様のモデルが今でも海外市場で販売されるほど息の長いものとなっています。プロマスターのこれまでに培ってきたDNAを継承することでデザインの強度を補強し、その結果としてブランドのDNAを現代にもつなげることを可能にしたデザインだと言えます。

スクリーンショット 2025 06 05 121508このモデルの裏蓋刻印は実はレア
PROMASTERロゴが、グローブマーク外周の円弧の中に入っているという珍しいタイプ

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無骨なエレガンス

無骨さの中にエレガントさを兼ね備えた、実用のための時計。ゆるぎないラインで構成された、余計な斜面など一切無いエッジの立った潔いケース・バンド形状や、ほぼ全てがヘアライン仕上げの無垢な質感から無骨さが見てとれます。 一方で、ケースの大部分を占める球面ガラスが無骨さの中に柔らかさを与え、ヘアライン仕上げの中に時折見えるミラーのキラッとした質感が、エレガントな色気を与えています。ほとんどがヘアライン仕上げですが冷たい印象ではなく、きめが細かく肌触りの良い質感と、チタニウムの持つ温かみのあるグレーの色合いも、上品でエレガント。 文字板では、大胆な大きさのアラビア数字と極太のバーインデックスが、堂々とした風格を漂わせています。一方サブダイヤルは緻密で細やかですが、見やすく、必要な所に夜光が入っていて、使う人のことを考えられています。針やインデックスは白、文字板は黒と、コントラストが高く、はっきり見やすい実用のためのデザインです。 タフでありながら大人のスーツ姿にも似合う、エレガントなプロマスターと言えます。

https://ms.citizen.jp/assets/AXIS増刊号_CITIZEN_最終版

源流を探り、未来に生かす

創業100周年を機に、シチズンのデザイナーが自ら「シチズンデザインらしさ」を探求するため、過去のモデルに学び、そこから得た気づきを集約して「デザインソース」として言語化を行った。社外アドバイザーによる客観的分析を経ながら、約5年にわたって進められたプロジェクトを紹介する。

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飾るのではなく、削ぎ落とす。

シリーズエイトは、もともとは2008 年にデビューしたコレクションです。当時としては斬新な8 体構造のケースが特徴で、都会的でモダンなコンセプトを基調としていました。2014 年にひとまず幕を閉じ、それから8 年目を迎えた2021 年に再始動したのが、新生Series 8 です。シンプルかつモダンに。飾るのではなく削ぎ落とす。「引き算の美意識」と呼ばれるデザインコンセプトを継承しつつ、いま求められるスペックとたたずまいを兼ね備えた機械式のブランドとして、リスタートをしています。

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自然を感じる

私が2016年の立ち上げから関わっているシチズン エルでは、サスティナブルな観点で、いろいろな取り組みを行ってきました。最近はリモートワークが増え、人々がよりリラックスした生活を求める中で、新しい女性の生活スタイルに合うものを作る必要性を感じていました。そして、次の新しいモノづくりを考えていたときに、バイオミミクリーという言葉に出会いました。